ギズモショップを始めるきっかけになったカメラが、Vivitar Ultra Wide&Slimです。今回は思い出のVivitar社について語ります。
スペック
- 35mmフィルム使用
- 超広角22mmプラスチックレンズ
- パンフォーカス 1.5m~∞
- 絞りシャッター速度は固定
- サイズ:W100×H58×D26 mm
- オールプラスチックで75gと軽量
このカメラを見つけたのは2007年頃です。イギリスの写真共有サイトで強烈な写りの写真を見つけました。それはVivitar Ultra Wide&Slimをいうカメラで撮られたのを知りました。
この凄い広角レンズを持つ低価格のフィルムカメラに、私は大変興味を持ちました。以下のFlickrのグループで撮影された写真を見ることができます。
メーカーのVivitar社を探したのですが、香港に窓口があることがわかり、メールで問い合わせをしました。しかし、このような製品は知らないという返答が返って来て話が先に進みません。
しかし、私がイギリスから購入したVivitar Ultra Wide&Slimの現物を郵送で送ったりして何度もやりとりをした結果、担当者は20年ほど前にVivitarが作った製品であると認めました。その後日本での販売の条件などの交渉を行いました。
Vivitar Ultra Wide&Slimは、オーストラリアかどこかのギフト通販会社がVivitar社に依頼して作ったカメラのようです。意味不明に凄い広角レンズが付いているカメラが、一般の人が買うギフト商品だったってのは不思議に思います。一度だけの製造だったのでVivitarの人も覚えてなかったそうです。
Vivitar社は歴史の長い会社で、ユダヤ系の人が経営しています。昔の米国のカメラ業界は圧倒的にユダヤ人が多かったそうです。
昔も今もVivitar社はカメラ機材の商社で、自社にはブランド名しかありません。60年代から70年代は、日本のカメラメーカーのOEM製品に、Vivitarのロゴをプリントして売ってたようです。当時のVivitarの販売する製品は魅力的でちゃんとしています。下の写真は当時の広告。
Vivitar Ultra Wide&Slimを数千台仕入れることになり、それを販売したところ大変な売れ行きで、ギズモショップを事業のメインにしていくきっかけとなりました。
その後Vivitar Ultra Wide&Slimのコピー品が日本国内に多く出回りますが、それらも一緒にVivitarとよばれて売られていました。
その後ギズモショップはVivitarのデジタルカメラも扱い始め、それも結構な人気を得ました。ViviCam 5050とViviCam 8027は特に人気がありました。
しかしその後、VivitarはSakarという会社に買収されます。Sakarは主にオモチャを売っている会社で、はやりユダヤ系の商社です。
この会社の方針で、カメラは中国のノーブランドおもちゃ工場の製品しか扱わなくなり、私が売りたいカメラの扱いがなくなってしまいました。当時の担当者も全て辞めてしまい、融通のきく窓口もなくなりました。
下は現在の取り扱い製品のページです。
”ドラッグストアーカメラ”という分野のカメラのようです。大型薬局のレジの横あたりに引っ掛けて売っている、ブリスターパッケージのカメラだそうです。
このようなVivitar社との付き合いの中で、私は貿易のノウハウも得られて、大変良い思い出にもなりました。